出会った彼は

何となく居づらくなって気まずくなってしまう。
美沙や有村くんは楽しそうに話を聞いてくれるんだけどな…。


気まずそうな私にみんなはあまり気付いていなくて、私は用事が出来たと言って居酒屋を後にした。

すぐには家に帰りたくなくて昨日みんなで行ったバーに行く。


カウンターに案内され、1人でぼーっとお酒を飲む。

ワンフロアの広い空間がお店になっていて、半個室のような空間もあって雰囲気もいい。
ビルも高い所にあるのでこの時間は夜景もきれいだなあ。なんて外を見ていると奥の入り口やカウンターからは見えない席が賑わう。


どうやら誕生日のお祝いをしている様子でケーキを持って行くバーテンダーさんの姿が見えた。


「すみません、騒がしくて。」

カウンターの中にいるバーテンダーさんが私に話かける。

「いえ、騒がしいだなんてそんな。」
< 13 / 514 >

この作品をシェア

pagetop