出会った彼は

「あ!!!」


涼太くんが脱衣所の方で声をあげる。

どうしたのかと思い、見に行くと。


脱衣所に豪快に洗濯洗剤をこぼしている涼太くん。


「ごめん芽依ちゃん、自分の洗濯しようと思ってたら洗剤こぼしちゃって。」

「あぁ、大変そうだね。片付け手伝うよ。」

「ありがとう、でも、芽依ちゃんの服が…。」


私の服を手に持った涼太くんがしゅんとしながらこっちを見る。

手元を見ると、昨日私が着てきたトップスにべったりと洗剤がついていた。


「あぁ、別に気にしなくていいよ。」

「でも帰る時に着る服無くなっちゃった。もうそろそろ家出ないとだし…。」

申し訳なさそうな涼太くん。
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