出会った彼は
「ごちそうさま。何から何までありがとう。」
お礼を言うと、次は薬を手渡される。
「はい、じゃあこれ飲んでもっかい寝ようね♪」
まるで小さな子をあやすような口ぶりで私に話しかける。
私は黙って薬を受け取って、涼太くんから差し出された水を口に含む。
薬を飲むと、よくできましたと言った涼太くんにまた寝室に押し戻される。
ベッドに横になると、どこから出したのか熱さまシートをおでこに貼られる。
冷たくて、思わず顔をしかめてしまう。
「なんかあったら呼んでね」
そう言ってリビングに戻ろうとする涼太くん。
「気にせず帰っていいよ。」
めんどくさい彼女にはなりたくなくて、思ってもいないことを口にする。
「思ってもないこと言わないの。明日オフだし、芽依ちゃんが眠るまでいるよ。」