出会った彼は

「帰ったのかと思ってた。」

思っていたことを口にしてしまう。


「帰ってた方がよかった?」

少し眉を下げながら涼太くんが答える。


「そんなわけない。嬉しい!」


またしばらく会えないと思っていたし、まだ家にいるとも言われていなかったので嬉しさが倍増する。

つい、ギュッと涼太くんに抱きつく。


「芽依ちゃん可愛すぎ。今日も泊ってもいい?」

優しく私を抱きしめ返して涼太くんはそう話す。


「私はいいけど、涼太くんは大丈夫なの?」

「うん、明日仕事昼からだし。その前に家帰れば大丈夫。」


ニコニコと笑って涼太くんはそう言った。


家に入った時にしたいい匂いの正体はハンバーグだった。


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