出会った彼は

「あ、化粧品とかは新しいの買ってもいいし。あと部屋着だけじゃなくて外出る時着る服も入れておいてくれたら、この間みたいになっても安心かも。」


この間。あぁ、きっと洗剤をこぼした時の話をしてるんだろうな。

「まあ俺は自分の服着てる芽依ちゃん可愛くて好きだから、それでもいいけど!」


私の後をピッタリとくっついてきて離れない涼太くんが後ろから話しかける。


「んー」

返事をしながら部屋着を数着と私服をバッグに詰めた。

この間借りたロンTやサングラスを返そうと、紙袋を手に取ってボストンバッグと一緒に渡す。

「これ、服入れたから持って行ってくれると助かる。」

「何これ?あ。」

紙袋の中身を見て

「これは置いていこうかな。芽依ちゃんも使っていいし、俺もこっち来てから使うことあるかもだし。」


いい?と首を傾げてくる涼太くんがかわいすぎる。

「そういう事なら。」

紙袋を手に取って、さっき涼太くんの服を入れた棚にしまう。

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