出会った彼は

涼太くんはポケットの中に入っていたものを私に渡す。


手を出すと、手のひらに置かれるもの。

「あ、これ。」


渡されたのは鍵。

「俺んちの鍵。さっき家行った時取ってきたんだ。これなら芽依ちゃんもいつでも来れるでしょ。」

「ありがとう。」

「エレベーターに乗る時は鍵かざしたら階数押せるようになるから。」

私の家みたいにオートロックを解除するだけではなくて、エレベーターでも使うのか。


涼太くんに貰った鍵をキーケースに付ける。


いい時間になっていたので、2人で寝室に移動する。

「おやすみ、芽依ちゃん。」

「おやすみ。」


いつものように、触れるだけのキスをして眠りにつく。


次の日もいつも通りアラームで起きて、仕事の準備をする。
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