出会った彼は
今日もぼーっとしながらお酒を飲んでいるとバーテンダーさんに話しかけられる。
少し世間話をしていると奥の個室から1人出てきて、バーテンダーさんに話しかける。
その間に私はお手洗いにでも行こうと席を立つ。周りに人はいないし、とりあえずそのままスマホや荷物を置いてお手洗いまで来てしまった。
席に戻ってくると私の座っていた席の隣に、先ほどバーテンダーさんと話をしていた人が座っている。
他にも座席あるのになんでわざわざ隣に座ったんだろうと思いつつ、そっと席に戻る。
「もしかして、俺のファン?」
「え…。」
特に顔は見ていなかったけれど、そう声を掛けられて顔を見ると目の前には推しの涼太くんが。
え、どういう状況これ。現実?話しかけられてる?
なんて1人で焦っていると
「ほら、これ。」
そう言って推しの涼太くんが私のスマホを指さす。
それはついこの間、同級生との会話のきっかけにもなったスマホケース。