出会った彼は

テーブルにズラリと並んだ料理を見て涼太くんが言う。


涼太くんが頼んでいたお寿司も、電話をしたら多めに作って届けてくれた。

オードブルは、以前一緒に行ったイタリアンのお店のもの。


他にもメンバーが持ち寄った、ローストビーフやお節料理。

「どれもおいしそう~。」

どれを食べようか見ていると、涼太くんが話す。


「ごめんね、せっかく2人で過ごせると思ったのに…。」

「まだ気にしてたんだ?私は楽しんでるから気にしないで。」

「そうじゃなくて。俺が2人で過ごしたかった…。」


目を合わせずに周りに聞こえないように言う。

「じゃあ、次は2人で過ごそうね。」


何気なく言った言葉だったけど、涼太くんは笑顔になって

「それもそうだね」

と答えた。
< 210 / 514 >

この作品をシェア

pagetop