出会った彼は

涼太くんとのメッセージ画面を開いてまた固まる。数十分悩んでしまったけれど、意を決して送信ボタンを押す。

芽依:いつ行くかは決めてはいないです。本郷さんはよく行かれるんですか?

心臓がドキドキバクバク鳴らしながらやっとの思いで返信。


まぁきっと忙しいだろうし、返信なんてすぐ来ないと思っていたのに。

すぐにスマホがメッセージを受信した通知の音を鳴らす。


涼太:うん、よくいるかも。じゃあまた来るとき教えて。俺も行く。


メッセージを既読にしてそっとスマホを閉じる。


涼太くんの出ているグループのライブDVDを見ようとレコーダーにディスクを入れる。

『みんな、会いたかったぜ~!今日は最後まで楽しもうな。』

綺麗なウインクを見せながら彼が画面いっぱいに映る。


涼太くんのグループは全員で5人のグループ。みんなそれぞれ良さがあって、グループでも推せる。いわゆる箱推し。


それにしても、どうして涼太くんは私なんかに興味を持ってくれたのだろう。


ぐるぐるとそんなことを考えていると眠くなってしまったのでベッドに向かい布団にもぐる。
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