出会った彼は
一度止まった涙がお母さんを見るとまた溢れてきたようで泣きながら抱きついている。
お母さん見つかったんだ。良かった…。
「ごめんね結衣、目離しちゃったから…。」
「結衣もごめんなさい。勝手に違うところに行っちゃって…。」
お母さんに会うことができて安心した様子の結衣ちゃん。
「あ、ありがとうございます。ご迷惑をおかけしてすみません。」
今度はお母さんが私に向かって、深々とお辞儀をする。
「いえ、私は何も。無事に会えたようで良かったです。」
「本当にありがとうございます。良ければお礼にお食事でもどうです―――「芽依ちゃん?」
後ろから来た人は見なくても声を聴くだけでわかる。
涼太くんの名前を呼ぼうとした時。
「あ!涼太!結衣見つかった!よかったよ~、この子が一緒に居て下さったの!」
「え?姉貴?結衣見つかったって…。え、見つけてくれたの芽依ちゃんなの?」
え?いやいや全く状況が呑み込めない。頭にいくつもの?マークを浮かべている私。