出会った彼は

「え!?この子噂の芽依ちゃんなの!?何!会うなんて言ってなかったじゃない!」


目の前にいる結衣ちゃんのお母さんは止まることなく話し出す。

全く状況が分からない私はただただその場に立ち尽くしていた。


「ごめん芽依ちゃん、メッセージ入れてたんだけど。姪っ子が迷子になってるって。」

「え、メッセージ?ごめん見てなかった。」

「だよね。既読になってないからそうだと思ってた。その迷子になってた姪っ子が芽依ちゃんが連れてきてくれた結衣で、その母親で俺の姉ちゃんがこの人。」


そう言って結衣ちゃんのお母さんを指さす。

「え!?そうなの!?」

驚いて大きな声が出そうになるけど、寸前で何とか止める。


「うん、たまたま姉貴と会ったんだけどさ。そしたら結衣いなくなったって聞いて焦ってたけどまさか連れてきたのが芽依ちゃんなんて。」

「いや私こそびっくりだよ…。お姉さんが一緒に居るなんて思いもしなかったし。」


心底驚いてほぼ言葉を失っていたけれど、何とか話をする。
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