出会った彼は

「いえ、私は本当に何もしていないので…。」

「いやいや、人見知りの結衣が手を繋いで歩けたのってある意味奇跡!芽依ちゃんに見つけてもらえてよかったわ。あ、自己紹介がまだだったね。私は涼太の姉のさくらです。呼びやすいように呼んでね。」


ニッコリと綺麗な顔に笑みを作るさくらさん。

その顔に引き込まれそう。


「あ、七瀬 芽依です。よろしくお願いします。」

「芽依ちゃんのことは涼太から聞いてるわ。」

「え。そうなんですか?」


涼太くんの方を見るけれど、特に何も言わずに飲み物を飲んでいた。


「涼太ったら本当に芽依ちゃんのこと好きでね~、見てるこっちが恥ずかしくなる。」

「ちょ、余計なこと言うなって」


さくらさんと話していると、今まであまり話に入ってこなかった涼太くんが、急に焦り出す。


「本当のことじゃない。何恥ずかしがってんのよ。」

涼太くんのお姉さん、さすがだな。
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