出会った彼は

なんだかよく分からない光景に目を丸くする私。


「芽依ちゃん座って。」

椅子に座らされ、部屋の中をきょろきょろと見渡す。


「本郷様、今日はどのようなものをお探しですか?」

40代くらいの、大人な雰囲気溢れる男性が涼太くんに聞く。


「この子に似合うジュエリーをいくつか見繕ってほしいんですけど。」

「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」


男性店員さんは一度、奥の方へ消えていく。


「あの、涼太くん。どういう事?」

「ん?店舗だとゆっくり買い物できないからさ。たまにこうやって個室で買い物するんだ。」


私には遠い世界すぎて全く想像もつかなかった…。

「すごいね…。」

「緊張してる?」

「少し。」
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