出会った彼は
「準備できたよ~」
ソファでくつろいでいた美沙に声を掛ける。
「じゃあ行こっか!」
美沙と一緒に家を出て、電車で行くものだと思っていたら近くのコンビニに有村くんが車を停めて待っていた。
「美沙!七瀬も。おはよ。」
美沙を見つけた有村くんは一瞬で笑顔になる。
あぁ、なんかいいな。2人がニコニコと幸せそうな表情をするだけでこっちまで幸せな気分になる。
「ところで、何で急にバーベキュー?一般的な時期的にはまだ早くない?」
有村くんが運転する車の中で、ふと疑問に思ったことを口にする。
「あ~、俺の仕事で担当しててよくしてもらってる取引先の人が、良かったらオープン前に遊びに来ないかって誘ってくれてさ。」
「なるほど。」
営業部になるとそういう話も出てくるのか。
「あ、でも仕事関係なく本当に遊びに来てって感じだったから変に気にする必要ないから!」
何となく、思っていたことを汲み取って話してくれる有村くん。こういうところがいい人なんだよな。
しばらく車を走らせて、1時間と少し経った頃。山の中にあるコテージが見えた。