出会った彼は

私が行きたいと言ったところをまとめて、涼太くんがプランを立ててくれているみたい。


涼太くんの仕事は変わらずに忙しそうで、最近は特に休みなく働いていた。

起きている間に合えないこともしばしばで、だけど寝る時は同じ布団で起きると横にいる涼太くんを見て安心する。


「芽依、おはよ~」

会社に向かう途中、美沙から声を掛けられる。


「美沙おはよ~」


春から、美沙と有村くんも無事に同棲が始まったようで少し後ろには有村くんがいた。

眠そうに手を振って、走ってくる気力はない様子。


「有村くん疲れてるね?」

「うん、最近は忙しいみたい。芽依の方は?最近あんまり話せないって言ってたよね。」

声が大きくならないように小声で話す美沙。


「うん。朝早かったり夜遅かったりでさ。起こすのもかわいそうだからそのまま寝てもらってることが多いかな。」

「でも、もう少ししたら旅行だよね?ゆっくりできるといいね。」

「そうだね。地味にもう来週か。早く来いって思ってたけど意外とすぐだったな。」
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