出会った彼は
茂みの中に、少し道が見える。
進んでみると、小さな湖があった。
静かな空間に水の音が聞こえる。
近くにあったベンチに腰掛け、水の音を聞きながらぼーっとする。
今日はいいCMが作れた気がするな。本格的な夏に向けて、あの商品が売れますように…。
少し酔いが醒めてきたところでバーベキュー場に戻ろうかと思った時
「芽依ちゃん?」
「涼太くん…。」
後ろから声を掛けられた。
まさか涼太くんに会うとは思っていなくて驚く。
「撮影、お疲れさまでした。とても良かったです。完成が楽しみです。」
「あ、ありがとう。」
お互い黙ってしまい、重たい空気が流れる。
「じゃあ、私は戻るので。ごゆっくり。」