出会った彼は
ライブの余韻を噛みしめて、飲み終わったのは日付が変わってからだった。
「あ、浩介近くまで来てるって!芽依も送ってあげる!」
「え、いいよ。タクシーで帰る。」
「方向一緒なんだからいいでしょ!」
そんな言い合いをしていると有村くんの車が到着する。
「ほら、乗って乗って!」
「ありがとう。」
有村くんに送ってもらい、家に着く。
シャワーを浴びて出てくると、なんだか眠気も酔いも醒めてしまって、ベランダに出る。
夏の本番。夜でも生ぬるい風が吹いている。
ぼーっとしながら外を見ていた。
最近はいろいろと忙しくて、ゆっくりしている暇もなかったな。
仕事が忙しいことは私にとっては苦ではない。
涼太くん、元気かな…。