出会った彼は

「芽依ちゃんはさ、そろそろ次に行ったりしないの?」

「ん~、大分前は向けてるしね。あとは少し、やりたいことあって。」

「やりたいこと?」


隆也さんは私の顔を見る。

「うん。1年位前にね、一緒に旅行行ったの。その思い出だけ見て回って、この気持ちにしっかり蓋しようかと思ってるんだ。」

「へぇ。そうなんだ。旅行はいつ行くの?」

「未練タラタラで恥ずかしいんだけど、去年と同じ日に行こうかなって思ってて。会社の休みも取ったんだ。」

「そっか。悔いなく楽しめるといいね。」


隆也さんは私の話をしっかりと聞いてくれていた。

「うん。そしたら婚活パーティーにでも参加しようかな~。あ、いい人いない?」

「そんなん俺が聞きたいわ。」


2人で笑いながらお酒を飲む。

「隆也さん、本当にありがとね。いろいろ相談乗ってくれて。」

「いやいや、気にしなくていいって。なんかあったら遠慮せずに話してね。」

「うん、いつものお礼でお土産いっぱい買ってくるね。」

「それは楽しみにしてる。」
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