出会った彼は
8
再会
誰に見られるわけでもないけど、いつもより上手くいった。
ワンピースを着てまだ暗い海の浜辺に座る。
辺りが明るくなり始めて、徐々に陽が昇り始める。
これで最後。日本に戻ったら。気持ちを切り替えて、また仕事を頑張らないと。
綺麗な朝日を眺めながらそう思っていると
「芽依ちゃん?」
あぁ、ついに幻聴まで聞こえるようになってしまった。
これで終わりにしようと思っていても、心はまだ整理がついていないのかな。
涙が出そうになるのを堪えていると―――
横に誰かが座った。
「芽依ちゃん。」
ゆっくりと横を見て、座っている人物を見る。
「なん…で…。」