出会った彼は
そこには、涼太くんが居た。
「芽依ちゃんこそ、どうして?」
「…」
何も言わない、涙目の私を見て優しく微笑む涼太くん。
「綺麗だね。あの日と変わらない。」
あの日。涼太くんも、一緒に見た朝日のことを思い出しているのかな。
「俺と話したくないなら、話さなくてもいいから聞いてくれる?」
そう言って、涼太くんが話し出す。
「俺、芽依ちゃんと別れてからの1年。寂しかった。こんなに辛いことがあるんだって思った。芽依ちゃんにも辛い思いさせてごめんね。」
「そんな、私こそ。ごめんなさい。涼太くんの事傷つけた。」
「それはお互い様でしょ。俺も軽率だったって反省してる。」
涼太くんが私を見ているのが分かる。
「芽依ちゃん。」
涼太くんに呼ばれて、顔をあげるとやっぱり私を見ていた涼太くんと視線が絡む。