出会った彼は

「俺と、もう1度。付き合ってくれませんか?」


溢れていた涙は止まることを知らなくて、あぁ、せっかくメイクが上手くいったのにとかそんなことを頭のどこかで考えていた。

「芽依ちゃんが居なくなって分かった。どんなに楽しいことをしていても、芽依ちゃんが横にいる時と居ない時じゃ全然違う。見てる景色すべてが変わっちゃうんだよ。それくらい、俺にとっては大切なんだ。」

「でも、」

「芽依ちゃんが心配する事は何もない。俺が好きなら、俺の側に居てほしい。」


「私も、涼太くんが好き。今でもずっとずっと、好きだっ――」

言い終わる前に塞がれた唇。


久しぶりの感触に、また涙が溢れる。

「また一緒に居てくれる?」

「うん…。」


そう言うと、涼太くんは私を抱きしめていた手に力を込める。

「ありがとう、まだ好きでいてくれて。」

「私も、また気持ちを伝えてくれてありがとう。」


私が落ち着くころにはすっかりと日が昇っていて、ジリジリと強い日差しが照り付ける。
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