出会った彼は

お礼を言うと、涼太くんはお風呂場に行った。


涼太くんがお風呂から上がるまでスマホをいじりながら待つ。

しばらくして、涼太くんがリビングに戻る。

「芽依ちゃん、明日仕事?」

「ううん、明日は休み取ってる。涼太くんは?」

「俺も明日はオフ。じゃあゆっくりできるね。」


お互い休みなのでゆっくりできそう。

「芽依ちゃん、明日少しだけ付き合ってほしいところあるんだけどいい?」

「へ?あ、うん。でも着ていく服ないや。洗濯機借りてもいい?」

旅行で持って行っていた荷物から着る服を洗濯させてもらおうと思い、そう言ってみた。


「あー…。」

涼太くんは複雑そうな顔をして、私の手を引いてクローゼットへ向かう。

「え、捨ててなかったの?」

そこには私の置いていった服があった。


「勝手に捨てるの気が引けて。でも住所知らないし連絡しても無視されそうでどうする事もできなくて…。」
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