出会った彼は

気まずそうな顔の涼太くん。

「え、てことは他のものも?」

「うん、芽依ちゃんが置いていったものは全部あの部屋にあるよ。」


私の家から持ってきたものを置いていた部屋。

捨てられてたら悲しいなと思った推しグッズなどもすべてそのままになっていた。

「ごめんね、気使わせちゃって。でもありがとう。おかげで大事な物にまた会えた。あの時の私、いっぱいいっぱいで荷物の事まで考えてなかったから。」

「いや、気持ち悪がられたらどうしようかと思った。」

「確かに、これ好きじゃなかったら微妙なとこだよね。」

「おい!」


そう言いながら少ししゅんとする涼太くん。

「私は嬉しかったから気にしなくて大丈夫。ありがとう」

そう伝えると次はニッコリと笑顔になった。


服は前に置いていったものを着ることにした。

デリバリーで頼んだごはんを軽く食べて、布団に入る。


「おやすみ、芽依ちゃん。」

優しくキスを落として眠りにつく涼太くん。あの頃と変わらない。
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