出会った彼は
そう言って、涼太くんは小さな箱を開けた。
中にはダイヤの指輪。
驚きと嬉しさと。様々な感情が混ざって涙が溢れる。
「これからだって、きっと楽しいことばっかりじゃない。俺と一緒に居るから芽依ちゃんが傷つくこともあると思う。でも絶対、守るから。あんな風にならないようにするから。俺の側にいて、1番近くで俺を見ててほしい。」
何でもっとちゃんと話し合わなかったんだろう。
涼太くんはこんなにも私のことを考えてくれていたのに。
涙が溢れて止まらない中で、私も一生懸命言葉を紡ぐ。
「私も…。涼太くんと一緒に居たい。」
「受けてくれるってこと?」
「はい。」
そう言うと、涼太くんはギュッと私を抱きしめて頭をポンポンとして落ち着くまで待っていてくれた。
落ち着くと、私の左手を取ってそっと指輪をはめる。
「もう絶対、離さない。」