出会った彼は

薬指に光る綺麗な指輪を見る。


「ありがとう、涼太くん。」

「こちらこそ。さ、一旦帰ろうか。」


涼太くんと一緒に車に戻る。

帰りの車内も、会話が途切れることはなかった。


家に帰って少しして、私は自分の家に帰ろうとすると涼太くんからの大ブーイング。

「芽依ちゃん、何で帰るの?」

「え、なんでって…。旅行から帰ってきて洗濯したいものもあるし。」

「そんなん家ですればいいじゃん!すぐ引っ越してこれる?」

「急に強引だな…。」


思っていたことがつい口から出る。

「だって!芽依ちゃんとせっかくまた一緒に居れるんだよ?少しでも離れたくない!」

子どものように拗ねる涼太くん。


アイドルをしているこの彼のことを誰がこんな駄々っ子だと思うのだろうか。
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