出会った彼は

少し興奮気味な美沙は涙を拭いて笑顔を向ける。

「うん、大丈夫だよ。」


少しすると浩介くんからはおめでとうとメッセージが来ていた。


そして直後に隆也さんからも。

きっと浩介くんから聞いたんだろうな。


2人にありがとうと返信をして、カフェを出る。

美沙とまたお昼に会う約束をして別れる。


意外にも、涼太くんのニュースは私の部署内でも話題になっていた。


「七瀬お前、あのアイドル好きじゃなかったか?」

私が広報部にいたころからお世話になっている上司に言われる。


「あ~、まぁ、そうですね。」

私が涼太くんを推しているのを知っている会社の人は多くはない。

「まあほら、なんかあったら言えよ。俺も若いころ好きだった歌手が結婚するって見たときは泣いたな…。」


明後日の方向を見て話す上司。

「ありがとうございます。大丈夫です。」
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