出会った彼は

私が乗ったことを確認して、涼太くんも運転席に乗り込む。


「やっと2人になれた!」

ニコニコと笑う顔をこちらに見せてくれるけれど、これはさすがに、心臓壊れそう…。


慣れた手つきでハンドルを操作し、街中をどんどんと進んでいく。少し経つと、車通りはまばらになってきた。

ドライブしている間はずっと話をしていて、お互いの近況や最近仕事がどうだったとかを話していた。



綺麗な海が見えてきて、思わずテンションが上がる。

車を停めて、2人で海を歩く。

意外にも遠くまで来ていたのか、もう夕日が沈み始めていた。

2人で砂浜に腰掛け、綺麗な夕日を眺める。


あまりに綺麗だったので、写真に収めておこうとスマホを開いて写真を撮る。

―――カシャ

私のスマホからではなく別の場所で鳴ったシャッター音の方を見る。


「え、撮った?」

そこにはこちらに自分のスマホを向けている涼太くん。
< 65 / 514 >

この作品をシェア

pagetop