出会った彼は

規定とは大分違った資料が出来上がっていた。

あらら、これそのまま送ったら注意受けちゃうやつだな…。


少し考えた後、私は資料を直してから取引先に送信した。

いつも後輩ががんばっているところは見ていたし、今回は後で私が伝えればいいか。


時刻を見ると19:30を回ろうとしている時計が目に入った。

♪～～～～～

再びもう帰ってしまおうかと思った私の耳にスマホの着信音が聞こえる。


画面を見ると美沙の文字。

「もしもし」

「ちょっと芽依～！今どこ？歓迎会始まってるよ！もしかして帰ったとか言わないよね！？」


少しがやがやとした音がスマホのスピーカーから聞こえてくる。

「ごめんごめん、ちょっと仕事してた。今から行くよ」

「も～、早く来てよね！待ってるから！」

軽く荷物をまとめて、会社を出る。


夜は肌寒いな。上着を持ってきて正解だったと思いながら会場まで歩いていく。