出会った彼は
3
一線
すぐにオートロックのドアが開いて、中に入ると管理人さん?がいる。
エレベーターに進み、階数を押す。
部屋の前に着き、いったん深呼吸をして心臓を落ち着かせる。
ピンポーン―――
呼び出し音が鳴るとすぐにガチャリと鍵が開いた。
「久しぶり。入って。」
見ると忙しかったのか少し痩せた涼太くんがいた。
「お、おじゃまします…。」
家の中に入ると、すごく広いリビングに通された。
「広…。」
思わず口から出てしまう。
メガネにスウェット姿の涼太くんはいつもと違うように見える。
「飲み物何がいい?水とかお茶とかコーヒーしかないけど。」
「あ、じゃあ水で。ごめん、お家来ると思ってなかったから何も用意してきてない…。」