出会った彼は

歓迎会の会場につくと、各々食事をしながらお酒を酌み交わしている。

私も適当にお酒を頼んで、空いていそうな場所を探す。


「七瀬お疲れ。遅かったな?」

「あ、うん。少し残って仕事してたから。」


同期の有村くんが話しかけてくれる。有村くんは営業部。人懐っこい性格で、上手く契約を結んでいるらしく上からの評判もいいと聞いた。

「なんか食った?ここ、何食っても美味いよ!」

人懐っこさとこの犬のような笑顔で虜になる人は多そうだな、なんて冷静に考える。

「ありがとう。少し食べようかな。」


そのまま有村くんと雑談しながら飲んだり食べたりしていると

「芽依~!」

後ろから美沙の声が聞こえた。

「も~、着いたなら言ってよ!」

顔は綺麗なのに性格は本当にかわいいなあ…。なんて思っていると


「あぁ有村いたの。」

「なんだよ、気づいてなかったのかよ。」
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