出会った彼は
「最近忙しくてさ、寝るのも食べるのも必要最低限だったから…。」
涼太くんが話し始める。
「ライブ決まったもんね。楽しみ。」
「ありがとう。ライブ来る?」
「うん、当選したら行くつもりだよ。」
そう答えるとこれまた満面の笑みの涼太くん。
「当たらなくても関係者席開けるよ!」
「関係者席!?嫌だよ、知らない人ばっかりだし騒いだりできなさそう。」
思わず口に出した言葉に涼太くんが笑う。
「騒ぐんだ?」
なんだか恥ずかしくなって顔が赤くなるのが分かる。
「推しのライブだもん。そりゃそうでしょ。」
「推しねえ…。」
ボソッと呟いた涼太くん。
次はじっとわたしを見つめる。