出会った彼は

「そう、前に会ったことある人。」

涼太くんの会ったことある人って…。

「隆也さん?」

「うん」

前から気になっていたけれど、隆也さんそんなに気になるのかな。

「いるけど、なんで?気になるの?」

「気になる。俺明日オフだし、まだ一緒にいたい。」

「そう言われても…。」

疲れているだろうし、早く寝た方がいいと思うのだけれど。


「まだ一緒にいて、帰ってほしくない。」

「じゃあ、あと少しだけなら。」

悲しい顔をされるとこっちも帰るだなんて言えなくなる。


それから数時間、彼と他愛もない話をして時計の長針と短針がぴったりと合いそうなとき。

「そろそろ送る。」

そう言って車のキーを持ってくる涼太くん。
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