出会った彼は
「いいよ、1人で帰れる。」
「俺がまだ一緒に居たいの。送らせて。」
妙に真剣な顔つきだし、お酒も飲んでいないのに甘い彼に頷くことしかできない。
車の中はあまり話さず、でも居心地の悪さは感じなかった。
「あ、家ここ。」
この間は近くまで送ってくれたけど、今日は夜道は危ないからと家まで送ると聞かない涼太くんに自分のマンションの目の前まで送ってもらった。
「ありがとう。じゃあ、またね。」
そう言ってドアを開けようとすると
「待って。」
真剣な顔をした涼太くんに止められる。
「ん?」
「俺と付き合ってくれない?」