出会った彼は

本当に、甘々デレデレで困ってしまう。

「私も仕事がんばるから、涼太くんもがんばろ?」

頭を撫でながら言うと、子犬のようにすり寄ってくる。


「今日も帰っちゃうの?」

「そりゃもちろん。私も明日仕事だし。」


寂しそうに瞳はうるうる。流されるな、私。

「そんな瞳してもダメ!」

うう、とうなだれる涼太くん。

「寂しいのは一緒だよ。でも私はステージでキラキラ輝いてる涼太くんも大好きだよ。」


ポツリと呟くと、

「そうだよね。アイドルとしても好きでいてもらえるようにがんばる。」

真剣な顔をした涼太くんと目が合う。


そのまま、視線が絡まって。徐々に顔が近づく。

「―――んっ」

< 96 / 514 >

この作品をシェア

pagetop