出会った彼は

昨日別れ際にした、触れるだけのキスとは違って。



もっと深く、貪るようなキス。



「ん、充電完了!」

ニコッと笑う涼太くん。

私は顔が熱くなるのが分かってクッションを抱えて俯く。

「あ、照れてる~」

ほわほわとした顔で涼太くんが言う。


何も言えずに俯いている私に、


「そろそろ送るね。」

と言って、車のキーを取りに行った。


送ってもらう車内は、昨日とは違って信号待ちになると手をつなぐ涼太くん。

いちいち心臓が反応してしまってうるさい。


ドキドキした心臓が隣にいる涼太くんにバレないように、落ち着かせることしかできなかった。
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