日常を返せ!

不満

 明日から面倒な学校が始まる。

 休み明けの学校はどうしてこんなに気分が沈むのか?

 わたしは自室のベッドに寝転びながらスマホに手を伸ばし、あと数分で日付が変わる事実に舌打ちをしたくなる。

 今日は友人のあかねと桃香で買い物をして楽しかった分、余計にそう感じてしまう。

 学校なんて数時間拘束されて、興味のない先生の話と黒板に書かれたチョークの跡をノートに書き写す作業だ。

 そんな面白味のない作業、つまらなくてしかたがない。

 それならいっそ、その時間を友人たちと好きな場所で好きな事をする方が断然楽しいし、人生経験になると思う。

 SNSに投稿しているキラキラした人たちみたいに面白おかしく毎日を過ごしたいが、わたしはただの平凡な家庭で生まれた女子高生。

 わたしの願いを口に出したところで、

「何を言っているの、 明良(あきら)。馬鹿な事を言っていないで、勉強しなさい」

「そうだ。来年は受験生なんだから、志望の大学に行けるようにしないと」と両親に小言を言われるのがオチだ。

 想像だけでも深いため息を吐きたくなる。

< 1 / 296 >

この作品をシェア

pagetop