日常を返せ!
「それは大丈夫だけど、何で会いたいの?」

「んー、単に好奇心かな?」

「うんうん」

 特に断る理由もないので、二人を連れてファミレスへ向かう。

 ファミレスに入ってすぐ近くの席に羽間たちがいるのに気付き、そちらに向かう。

 羽間たちは、わたしの後ろにいるあかねたちを見て不思議そうな顔をしていた。

「新田さん、この人達は?」

「わたしの友達。話し合いが終わった後、買い物に行くからって着いてきた」

「あかねです」

「桃香だよ」

「は、はじめまして。僕は──」

「あ、名乗らなくても大丈夫。SNSで顔と名前はわかっているから」

「え、そうなの」

 頭を下げて名乗ろうとした植本を、あかねは片手で制して自身のスマホを見せる。

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