日常を返せ!
「……なに?」

「いや、明良は優しいなと思って」

「わたしだったら、お詫びに何か奢ってもらったんだけどなー」

「反省しているみたいだからいいよ」

 文句を言う二人にわたしは宥める。

「だいぶ調子が良くなったならさ、帰りにどっか寄って帰ろうよ」

「いいね。美味しいクレープ屋が近くにあるから食べに行こう」

「うん、行く行く!」

 二人の提案にゲンキンにも気分が明るくなったわたしは、放課後を楽しみにしていた。

 こういう時程、時間が過ぎるのが遅く、ようやく授業が終わると、二人を呼んで学校を飛び出した。
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