日常を返せ!
 植本の首には服の襟元で隠れて気づかなかったが、銀色の機械のようなものが付いている。

 何か作動しているのか、時折赤色のランプが点滅している。

 植本に言われてわたしも首元を触ると、冷たく固い機械の感触がする。

 自分からは見えないが、触った感じ植本が付けている物と同じような形状をしている。

 そして全員に視線を向けると同じ首輪が付いていた。

「なに、これ……」

「くっ、外せねぇ!」

 他の人たちも同じ首輪が付いていると気付き、外そうとする。

 わたしも得体のしれない機械を外したくって、両手で力を入れてみたがビクともしない。

 どう頑張っても素手では外すことが出来ない。

「無理に外さない方が良いですよ! こんな得体の知れない物、下手に刺激すると悪いことしかありません!」

 無理矢理首輪を取ろうとする人たちに、羽間が必死で止める。

 その言葉に全員がハッとなり、首輪から手を離した。

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