日常を返せ!

破局

「それなら、早くこのゲームを終わらせなきゃ! ……植本、何か良い案はない?」

「え、僕?」

 石井は突然植本の腕を掴んで、必死に尋ねる。

 自分に振られるとは思っていなかった植本は驚いている。

 わたしも彼氏の中川ではなくて、植本に尋ねるとは思っていなかった。

 確かに植本は頼りになるが、急に頼るのは違和感がある。

 そして、彼女の急な態度に一番戸惑っていたのが中川だった。

「おい、何でそんな奴を頼ってるんだよ。俺に聞けばいいだろ?」

「だって、植本が一番安心出来るんだもん! 彼なら上手く『復讐者』を見つけてくれるはずだし」

「……は? 意味分かんねぇ」

 石井の言葉に中川は一段と低い声で呟く。

「な、中川?」

「俺、帰るわ」

 戸惑う植本を無視して、中川が立ち去ろうとする。

 そんな中川の態度に石井は慌てて後を追いかける。

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