日常を返せ!
「そんなのは警察の役目だろう。お前たちは普通に過ごせばいいんだよ」

「そうは言っても、もう三人も死んでるんですよ? 次に誰が狙われるかわからない状況なのに、随分呑気な事を言いますね?」

 植本の言葉に犬飼刑事は苦虫を噛み潰したような表情をする。

 どうやら痛いところを突かれたようだ。

「それで誰にも邪魔されないこの場所で話し合いをしていたんです」

「まあ、言いたいことは分かったが、ここは立ち入り禁止だ。話し合いをするなら、もっと安全な場所でやれ。そうでなければこんな事件は起こらなかったはずだ」

「犬飼刑事、少々よろしいですか?」

 現場を調べていた飛口刑事の一人が、犬飼刑事に近寄り何かを耳打ちをする。

 話を聞いた犬飼刑事は目を見開き、飛口刑事と一緒に材木が置かれた場所へ移動して何かを話している。

「どうしたんでしょう?」

「さあ? それより中川は大丈夫なの?」

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