日常を返せ!

これから

 三人で帰り道を歩くが、空気は最悪だ。

 それは当然だ、誘拐メンバーが半分も死んだんだから。

「あと四人になりましたね」

「そうですね、デスゲームは終わったんでしょうか?」

「終わってないと思う。あれだけ大掛かりな事をした奴らが、何もアクションを出さずに終わるはずがない」

 わたしの言葉に二人は頷いてくれる。

「そうなると、殺人者は中川になりますかね」

「そうですね。この状況を楽しんでいたのはかれでしたし。……自分の彼女を手に掛けるのは思った以上にきつかったみたいですけど」

「しばらく中川に近付かない方がいいですよ。自暴自棄になってますから、どんな行動を取るか予想がつきませんから」

「そうだね、もしかしたら中川が殺人犯かもしれないし」

 二人の言葉にとりあえず頷く事にした。

 ある疑惑が頭によぎるが、それを今言葉にしてはいけない。

 二人に同調したまま別れ、自宅に帰るまで怯えながら歩く。

 玄関に入ってからようやく安堵し、家の奥にいるであろう母さんに声を掛ける。

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