日常を返せ！

逆転

　わたしの叫びに気付いたのか、すぐにこちらに向かって走って来る。

　植本はわたしたちを背後に回し、走って来る中川を見据える。

　ほとんど体力が残っていないわたしと羽間は地面に倒れ込み、肩で息をする。

　ここで中川に襲われたら殺されてしまう。

　荒い息を飲み込んで、植本たちに視線を向けると、取っ組み合いをしていた。

　ナイフを持っている腕を掴んで自分に襲い掛かる刃に当たらないようにしている。

「邪魔するな、植本。先にアイツらを殺してやる」

「随分ワイルドになりましたね。彼女の死がそうさせたんですか」

「うるせぇ！　ルリカをあんな目に遭わせた奴は殺してやる！」

「新田さんたちが石井さんを殺したんですか？」

「あいつらもデスゲームをやっているんだ。殺しているに決まっている」

「証拠もないのに犯人扱いとは、今の貴方のほうがよっぽど殺人者に見えますよ」

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