日常を返せ!
「では、生存者が少なければ山分けはどうなりますか?」

「それは、生存者の貰える賞金が全員で生き残るより多くなる。……まさか、あんた」

 植本が何を言おうとするかが分かったわたしは、信じられないと首を横に振った。

「今、新田さんが考えた通りです。僕は賞金を独り占めしたくて、中川さんを殺しました。彼の反応は『一般人』だと確信がありましたから」

「賞金より『殺人者』を殺すのが先でしょ⁉︎ 何で仲間を殺しているのよ!」

「僕は仲間とは思っていませんでしたよ?」

「は?」

 わたしの怒りを意に返さず、植本のあっけらかんとした一言に凍りつく。

「そもそも最初から仲間だと思っていたら、こんなに被害は出ませんでしたよ。協力すれば簡単に『殺人者』が見つかったはずです」

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