日常を返せ!
「羽間、これどういうこと?」

「黙って見ていてください。これでわたしの復讐が一つ果たされるんですから」

 どうしてこの映像が流れているのか尋ねるわたしに羽間がスマホを見るように促す。

『あー、あー‼︎』

 植本はとうとう痛みがピークに達したのか、頭を抱え込んで絶叫し出した。

 見開いた目から血が流れ始めて、絶叫の中に小さな機械音が聞こえたかと思うと、大きな破裂音と共に植本の頭が爆発した。

 扉や椅子にペンキをぶち撒けたように血が飛び散り、そのグロさに再び気分が悪くなる。

「うっ」

 スマホの映像にわたしが息を呑むと、羽間はハハッと乾いた笑いを漏らす。

「やっと死んだ。植本は全ての元凶でしたから、派手に死んでくれて嬉しいです」

 羽間は頭のない植本が映るスマホを愛おしそうに撫でる。

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