日常を返せ!
 あとはこの輪に首を通して一気に体の力を抜くだけです。

 わたしが輪に手を掛けようとしたその時、インターフォンが一つ鳴りました。

 突然の訪問に驚きつつ、恐る恐るドアスコープを覗くと、知らない黒いスーツを着た男が微笑んでいました。

 セールスマンかと思い無視しようとしましたが、何度もインターフォンを鳴らすので近所迷惑になってはいけないからとドアを開けました。
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