日常を返せ!
 その後、何も知らない顔をして神崎の死体を見つけて、怖がる素振りをしました。

 あとは貴女達が脱出するのを見守りつつ、銃を手に入れる為に、先に梯子を登る貴女の後に続きました。

 貴女が玄関や複数のスマホに釘付けになっている間に拳銃を回収したので、玉木の殺害も簡単に出来ました。

 カラオケ店で別れた後、貴女に適当な理由をつけて早々に離れて玉木の後を追いました。

 すぐに植本と別れたのか一人で歩いており、人気のない場所で玉木に声を掛け、顔面に銃口を向けました。

 わたしと持っている拳銃に気付いた時の玉木の顔は、本当に笑えましたよ。

 わたしから拳銃を奪い取ろうとしましたが、負傷したままの足ではいつものように動けなかったのでしょう。

 わたしに届く一歩手前で地面に倒れ伏した姿に、心躍りましたよ。

 顔だけ上げてわたしを忌々しげに見上げる玉木に、銃弾をお見舞いしてあげました。

 このまま順調にいけば良いと考えていましたが、ここで二つの難点がわたしを襲いました。

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