日常を返せ！
　しかし、わたしの予想に反して、植本の要求は意外なものでした。

「『復讐者』のことを黙っている代わりに、他の奴らを殺してください」

　一瞬、植本の考えが理解出来ず、わたしはルールをもう一度思い出しました。

　そして、生存者が賞金を山分けする事に気付いて、呆れて乾いた笑いが出ました。

　あの男は、こんな時でも金が欲しいんだと。

「分かりました。その代わり、貴方も手助けしてください」

「手助けなんてしなくていいでしょう？　こっちが要求しているんですけど」

「わたしは別にバラされても構いません。協力しなければ貴方を今から殺します。どうしますか？　わたしに殺されて賞金を貰えずにいるか、皆さんに言ってわたしを殺し、賞金を山分けして少額貰うか。それとも、わたしに協力して賞金の取り分を多く貰えるようにするか」

　わたしの返信に数分の沈黙の後、

「分かりました。手助けをします」と、わたしの望んでいた返事が届きました。

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