日常を返せ！
「ええ、デスゲームのルールを何も知らない『無知の子』が一人配役されていたんです。それが新田さん、貴女のことです」

　羽間は涙を拭ってまだ可笑しいのか、口元を隠した。

「ルールを知らなかったら、すぐに殺せるじゃん。何で先にわたしを狙わなかったの？」

「ルールを知らないって宣言した時から、殺そうと思ったけど出来なかったんです」

「は？　なんで？」

　わたしの問いに羽間の顔が曇る。

「……『無知の子』はルールを知らない代わりに、デスゲーム側が救済処置を用意すると言っていたんです。具体的なことを言っていませんでした」

「救済処置って、何もされてない！　わたしは訳の分からないままデスゲームに巻き込まれただけ‼︎」

「そうですか？　憶測ですけど、貴女の友人たちが救済処置だと思いますよ？」

「あかねと桃香が？」

「はい。彼女たちは常に一緒にいたでしょう？」

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