日常を返せ！

「それはわたしが誘拐されて、事件に巻き込まれていたから、親友として心配していてくれたんでしょ！」

「まあ、そうとも考えられますね。では市外に行こうとして気分が悪くなり、その後でマスコミに襲われたんですよね。その時の暴行で頭の手術痕に気付きました。どちらも友人たちが側にいましたよね？」

「それは、そうだけど」

　羽間の言葉に声が詰まる。

　全部偶然だと言い張りたいけど、タイミングが良すぎる。

　まるで、あかねたちが知らなかったルールを教えるかのように行動しているように思えてしまう。

「じゃあ、中川が襲ってきた時は？　下手したら殺されるかもしれないのに、あかねたちは命を賭けてわたしを守ってくれた。それは親友だから助けたってことでしょ？　他の事も全部親友想いの行動よ！」

「そうでしょうか？　いくら親友でも、普通でしたら逃げてますよ。結局自分の命が一番大事ですから。新田さんを助けるとメリットがあったから、命を賭けたんでしょう」